SFを読んでいる。

先日、ドラえもん映画にハマってると書いたばかりだが、同時に並行してSFにもハマっている。昨年から同僚とランチの際に話題に上げる程度にはSFが好きではあったが、ここにきて火がついた。というのも今年の目標に「アッチェレランドを読むぞ」というのがあったのだが、それを1・2月でガッと読み終えて興奮から醒めていない状態にあるからだ。もう一つ読書の目標として「百年の孤独を飲みながら百年の孤独を読み通す」というのもあるが、それは下半期に回そう。

 

今まで自分が味わってきたSFはそんなに多くないと思う。アニメで攻殻機動隊や楽園追放やPSYCHO-PASSをみるとか、大学で先輩に勧められて伊藤計劃を読むとか、それくらいだったはず。ライトノベルは腐るほど読んできたが、SFに没頭した記憶はない。中学生の頃にたったひとつの冴えたやりかたと世界の中心でアイを叫んだけものを読みかけた記憶が無いでもないが、最後まで読んでなかった。あと夏への扉が実家に転がってて幼い頃に読んだ。

多分それで全部。漫画とかラノベとかはもう覚えてないしキリがない。ともかく純粋SFジャンルに手をだしてこなかったはず。伊藤計劃がせいぜい。

 

そんな自分がどうしてランチでSFトークを定期的にするようになったかというと、ひとつには多分vtuberがある。vtuberに興味のない人向けにvtuberの話をしようとすると、どうしても技術的な話か社会的な話になる。つまりVR・動画配信などのコンピュータサイエンス技術かスキャンダル・ゴシップなどの事件に関するニュースだ。後者は割と真面目に話そうとすると攻殻機動隊とかガッチャマンクラウズなど、社会SFネタに繋げやすい。というわけでランチの度に「最近vtuber界隈でこういう動きがあってさ……」などと喋っていた。

そうしているうち、にわかに三体あたりが盛り上がってきた。三体の前にもあなたの人生の物語がちょっと話題になっていた。そしてなぜか間違えてあなたのための物語を買ってしまい、読むのに苦労した覚えがある。ようやくあなたの人生の物語を読み通したのが2019年7月。間に会社でシルトの梯子がちょっとだけ話題になっていたが、最初の方で普通に挫折してしまった。本で挫折したのは久しぶりで少し挫けそうだった。

 

2020年に入るまではそこまでSFに熱が入ってはいなかった。冒頭にも書いたがやはりアッチェレランドを読んだのが大きい。電子版もなく、中古でしか手に入れることができなかったので、昨年末に注文して正月明けから読み始めていた。思えば今まで何事にもコアなファンになることができなかったので、大抵は「超話題になっていて、絶賛人気沸騰中!」みたいな鉄板作品しか手を付けて来なかった。それが今回は珍しくマニアックなところから手を付け始めた気がする。書評ブログで知ったのは覚えているんだが、なんでその書評にたどり着いたんだったか。おそらくvtuberにハマっていたついでに、「今SF読むんだったらサイバーパンクが読みたいな」と探していたんだと思う。

 

そう、サイバーパンクサイバーパンクを求めていた。2018年からvtuberを追いかけ続けて、自分でもVRゴーグルを買ってVR映像をみたりVRゲームをしたりして、未来に生きてる心地になっていた。

藤子不二雄でも未来に黒電話があると思ってたように、21世紀には宇宙に行ったり車が空を飛ぶと想っていたように、過去の作品は近未来を容易に見誤る。誰にも未来を視ることはできないので当然ではあるが、その未来を生きる自分にとってはやっぱり物足りなさがある。これは金田一少年の事件簿でポケベルが出てきたときにも思った。「イマならではのものが見たい!」というのはそれほど変わった欲求ではないと思う。なのでそれからはずっと「現代のサイバーパンクが見たい!」と延々と言い続けている。vtuberがVA-11 Hall-Aの実況をやってるのが悪い!もっとやれ!Detroit: Become Humanはもういいかな。

 

そんなわけでアッチェレランドを読んだあと、アマプラでSF映画を観つつ次にどのSFを読もうか練っている。丁度良いタイミングで出版された本が数冊あったのでまとめて買ってみた。どれも電子媒体がないのが気になるが、気にしない。

とりあえず21世紀SF1000 part2を指針にして、どういうSFを読みたいか考えている。ちょっと飽きたら2010年代SF傑作選を読みつつも。書評だけの本を読んでて楽しめるのか?と思ったが、こうやって読んでみると非常に楽しい。こういう本がなければ絶対に知ることのできなかった作品が多く、「この本は読みたい本リストにいれておこう」とストックしながら読み進められる。ありがたい。

せっかくなので、SF1000から自分が気になったタイトルを気になり度を併記しつつ抜粋して載せておこうと思う。次にどれを読もうか考える時に便利そうだ。

21世紀SF1000 part2を読んで · GitHub

 

今年はSFをいっぱい読みたい。

 

と、いうのを今年の頭に書いて、そこから数ヶ月放置してしまった。もう8月に入ろうかという頃になって思い出したので吐き出しておく。

実際このあと、「楽園追放Rewired サイバーパンクSF傑作選」「なめらかな世界と、その敵」「息吹」「三体Ⅱ」「紙の動物園」を読んだ。今はちょっと他の本を読んでいる。